形成外科・美容外科外来

形成外科・美容外科外来 閉診について

 これまで、当院では永らく形成外科を標榜し外来診療を行ってまいりましたが、諸事情により令和6年3月末日をもちまして閉診することになりましたので、ここにご案内申し上げます。
 現在、通院されている患者様につきましてはご相談の上、ご希望される医療機関へご紹介させていただきます。
 つきましては、令和6年3月26日までに、当科を受診していただきますようよろしくお願い申し上げます。
 突然のご案内にて、皆さまには大変なご迷惑をおかけしますことについて、心よりお詫び申し上げますと共に、何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

診療内容

受付 治療機器

はじめに

かわごえクリニックの形成外科は、大学病院の形成外科スタッフが非常勤医師として診療を担当しています。非常勤医師による診療体制では、手術など治療後の合併症に対して迅速かつ適切な対応ができないため、一部の疾患をのぞいて治療行為を行わず、形成外科領域の医療相談を中心とした外来診療を行っています。

形成外科は内科や外科などに比べて新しい診療分野です。このため、正しい治療法や適切な医療機関を選ぶときに、「どうすればいいの?」と迷われる方も多いと思います。かわごえクリニックでは、患者さんの状態を診察して、適切な治療法とそれに合った医療機関などの医療情報を提供いたします。言い換えると、形成外科の「ホームドクター」としての役割を担うことによって、地域の皆様に貢献したいと考えております。

形成外科・美容外科とは

形成外科はひろい意味で外科の一分野ですが、他の外科と異なり「造る外科」として発達してきました。すなわち、形成外科は何らかの原因で失われた、または変形した組織や臓器の再建を目的としています。

このように機能や外見を回復させることによって、社会生活へのよりよい復帰や精神的ハンディキャップの軽減などに貢献します。いいかえれば、形成外科は人のQOL(quality of life:生活の質)を向上させるための診療科です。

美容外科も形成外科の一分野ですが、いわゆる「病気」を対象とした診療分野ではありません。すなわち、顔や体つきなど、外見的な改善を目的として医療行為を行います。このため、保険の適用外となり、原則的に自費診療になります。美容外科の治療は病気を治すものではありませんが、その人が前向きな人生を送るのに役に立つ可能性があります。

当院で治療が可能な疾患

  • 腋窩多汗症 汗を出す器官を汗腺(かんせん)と呼びます。このうち、水に近い成分の汗を出すものをエクリン汗腺といいます。このエクリン汗腺の機能が亢進して、汗の量が異常に増える状態を多汗症と呼びます。
    一方、アポクリン汗腺の機能が亢進した状態を腋臭症と呼びます。この汗腺から出る汗には脂肪やタンパク質が含まれるため、独特の刺激臭を伴います。
    このように、多汗症と腋臭症は原因や症状が異なります。

    【治療】
    多汗症のうち形成外科で治療ができるのは、腋窩多汗症だけです(脇汗が多い、など)。2012年より、腋窩多汗症にはボトックス注射による治療が保険適用となりました。また、2020年には外用薬による治療も保険適用となりました。いずれの治療も汗腺の発汗作用をおさえる働きがあります。
    一方、腋臭症には腋窩多汗症の薬剤は効果がありません。外科的手術によってエクリン汗腺を切除する治療法が一般的に行われています。
  • 肥厚性瘢痕・ケロイド(きずあと) 肥厚性瘢痕とは外傷や手術の傷あと(瘢痕)のうち、赤く腫れた状態のものをさします。一方、外傷や手術などのきっかけがないにもかかわらず、肥厚性瘢痕と同じような傷跡ができることがあり、これをケロイドと呼びます。

    【治療】
    大きく分けて、手術による治療と薬剤による治療があります。
    手術では瘢痕を切除しますが、再発することがあるため、術後に放射線照射(電子線)を行うことがあります。
    薬剤による治療は副腎皮質ホルモン(ステロイド)の外用薬や注射、抗アレルギー薬の内服などを行います。
    かわごえクリニックでは薬剤による治療を行っています。手術が必要な患者さんには、適切な医療機関を紹介しています。

当院で診療している疾患(手術等の治療は行いません)

保険診療

  • 皮膚腫瘍・皮下腫瘍(皮膚から見える、触れるできもの) 良性腫瘍ではイボ(疣贅)、黒子(ほくろ)、粉瘤(ふんりゅう、アテローム)、脂肪腫、ガングリオン等がよくみられます。生まれつきの疾患には、母斑や血管腫など、いわゆる「あざ」とよばれる疾患があります。

    【治療】
    腫瘍の種類や大きさによって治療法が異なります。いずれの腫瘍に対しても手術による切除が行われますが、ある程度の傷跡が残ります。また、直径5㎜までのイボや黒子は、炭酸ガスレーザーによる治療が行われますが、保険適用外です。
    母斑や血管腫の一部にはレーザー治療が効果的であり、保険適用です。
    診察の時点で悪性腫瘍が疑われる場合には、大学病院などの総合病院で専門的な治療が必要になります。
  • 巻き爪、陥入爪など おもに足の爪が変形して、痛みや感染などの症状を起こす疾患です。

    【治療】
    変形が軽度の場合は、爪切りや除圧などのフットケアによって症状が改善することもあります。手術による治療が一般的であり、変形した部分の爪を除去して、フェノールという薬品で処理する手術がよく行われます。最近では、ワイヤーを用いた爪の矯正治療も行われていますが、保険適用外であり、治療後に再発することもあります。
  • 眼瞼下垂症 眼瞼下垂症は、まぶたを上げる筋肉(上眼瞼拳筋)のゆるみ、まぶたの皮膚のたるみ等によって起こります。

    【治療】
    手術による治療が一般的です。患者さんの状態を診察し、上眼瞼挙筋の短縮術(挙筋前転術)や眼瞼皮膚の切除術を組み合わせて治療します。

美容外科(保険適用外)

  • 眼瞼(まぶた) 一重まぶた、内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)、下眼瞼のたるみなど。

    【治療】
    一重まぶたには、埋没法や切開法による重瞼術を行います。
  • 毛髪 男性型脱毛症(AGA)、睫毛(まつげ)の貧毛、多毛症など。

    【治療】
    男性型脱毛症には薬剤による治療や植毛の手術を行います。睫毛の貧毛には点眼薬による治療を行います。多毛症にはレーザー脱毛が効果的です。
  • 美容皮膚科 紫外線の影響や加齢によって生じる皮膚のしみ・くすみ、皮膚のしわ・たるみなど。

    【治療】
    しみ・くすみに対しては、外用薬やレーザーによる治療を行います。外用薬としてレチノイン酸(ビタミンA誘導体)およびハイドロキノン乳酸を使って、しみ・くすみを薄くしていきます。
    しわ・たるみに対しては、ヒアルロン酸やボトックス(ボツリヌス菌毒素)の注射を行います。また、フェイスリフトなどの手術を行うこともあります。
  • 刺青 【治療】
    縫合が可能な刺青には切除手術を行います。縫合ができないような大きい刺青にはレーザー治療を行いますが、複数回の治療が必要です。

スタッフ紹介

名前 専門分野 資格
時岡一幸
時岡一幸
小児先天性疾患、顎顔面外科 埼玉医科大学病院 形成外科・美容外科 教授
日本形成外科学会専門医、皮膚腫瘍外科分野指導医、小児形成外科分野指導医

診療担当医表

詳細については形成外科外来(049-238-8111)までお問い合わせください。

令和5年4月1日現在

 
午前 時岡 一幸(月2回・週未定)
午後  

 

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