診療内容
ペインクリニック外来(痛みの治療外来)とは、"いたみ" を中心に、主に神経ブロック注射や内服薬を用いて治療を行う外来です。
神経ブロック注射とは、局所麻酔薬やステロイド(消炎鎮痛薬)といった痛み止めを、痛みを起こしている神経の近くに注入することで、痛みやしびれを「遮断」して和らげ、安心して痛みのない生活が送れるように手助けするものです。
治療を受けられる皆様の痛みについて一緒に考え、痛みのない生活を送れるように手助けをする治療を行っていく外来です。
当ペインクリニックでは、より積極的な治療方法として、慢性でしつこい「腰痛」に対して、痛みを発している神経自体を温めて神経の活動を鈍らせ、約3か月間痛みを軽くする「高周波熱凝固治療」や、直接痛みのある部位を観察しながら行う、超音波診断装置(エコー装置)や、レントゲンの機械を使用したX線透視下の神経ブロックが安心安全に受けられます。
さらに、注射が受けられない方には、通常の痛み止めだけではなく、より進んだ痛み止めのクスリによる治療を行っています。
外来で扱う疾患は、帯状疱疹後の痛み、足や腰の痛み(腰痛症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など)、手腕のしびれや痛み、顔の痛み(三叉神経痛など)、眼や顔の周りの痙攣に対するボトックス注射、背部の痛み(肋間神経痛など)です。また、顔面神経麻痺に対する神経ブロックも行っています。痛み全般に渡り治療を行っていますが、小児の痛み、内科系統の腹痛、基本的に癌性疼痛や外傷などは扱っていません。また、患者さんの症状によっては診察のみとなることもあります。
※大変恐れ入りますが、専門性の高い診療科の為、必ず紹介状を携えて受診をしてください。また、検査結果や画像、薬剤情報などがあれば一緒にご持参ください。
ペインクリニックでは帯状疱疹のワクチン(予防接種)を行っています
帯状疱疹とは
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによって起き、皮疹や痛みを生じ、時には皮疹が治癒した後も痛みが長期間持続する ( 帯状疱疹後神経痛 ) 病気です。
身体の左右どちらかにビリビリ刺すような痛みと水ぶくれを伴う赤い発疹が現れ、続いて水泡ができることが特徴です。
日本の成人の9割以上がすでにこのウイルスに感染したことがあり、体内にウイルスを持っているといわれているため、ほとんどの人が、帯状疱疹になる可能性があります。
50歳代から急激に発症率が高くなり、帯状疱疹患者の約7割が50歳以上の方です。
帯状疱疹ワクチンの接種について
平成28年3月18日付けで、帯状疱疹予防の目的として50歳以上の方を対象とし水痘ワクチンを受けることができるようになりました。
現在、当科で受けることのできる帯状疱疹のワクチンは、以前からあった乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」と新たに採用された不活化ワクチンであるシングリックス筋注用の二種類があります。
シングリックス筋注用は2020年1月に発売された新しいワクチンです。これらの帯状疱疹ワクチンを接種することによって帯状疱疹の発症を予防し、帯状疱疹を発症しても重症化を防ぐことができます。 ( このワクチンは、帯状疱疹後神経痛の治療薬ではありません。)
高価ですが長期間高い予防効果を期待したい場合は「シングリックス筋注用」をお勧めします。
心配だけどそんなにお金をかけたくない場合は『乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」』をお勧めします。
またシングリックス筋注用の接種対象者は、令和5年6月26日から「帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上の者」が追加されました。医師が必要と判断すれば50歳以下でも18歳以上であれば接種可能となりましたのでご相談ください。
帯状疱疹ワクチンの比較
令和6年6月1日現在
シングリックス筋注用 | 乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 | |
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ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
接種回数 | 2回(2ヶ月あける) | 1回 |
投与方法 | 筋肉注射 | 皮下注射 |
予防効果 | 90%以上 | 50~60% |
持続期間 | 9年以上 | 5年程度 |
副反応 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤、筋肉痛、全身倦怠感 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤 |
1回あたりのワクチン接種費用 |
ワクチン代 21,350円 + 初診料 3,300円 (初回のみ) |
ワクチン代 8,800円 + 初診料 3,300円 |
長所 | ・予防効果が高い ・持続期間が長い |
・1回で済む ・値段が安い |
短所 | ・痛い ・2回接種が必要 ・値段が高い |
・免疫が低下している方には接種できない ・予防効果が高くない ・持続期間が短い |
接種できない方 | ・明らかな発熱を呈している方 ・本剤でアナフィラキシーを起こしたことのある方 ・妊娠中や免疫抑制状態の方の接種は可能となっておりますが、当科では副作用の対応が難しいため、お受けしておりません。 |
・明らかな発熱を呈している方 ・抗がん剤、副腎皮質ステロイド剤及び免疫抑制剤などの治療を受けている方 ・HIV感染などの免疫抑制状態の方 ・妊娠していることが明らかな方 ・本剤でアナフィラキシーを起こしたことのある方 |
【接種対象者】50歳以上の方
※基礎疾患(持病)があり定期的に注射や投薬治療などを受けている方は、まずそちらの主治医に予防接種の可否をご相談していただいた上で、予約の電話をお願いします。
※予防接種を行う前提で予約をお受けしていますが、不明な点などは接種前の診察時に医師にご相談下さい。診察後、接種を行わなかった場合は診察料のみいただきます。
初診料 3,300円(税込)
再診料 1,540円(税込)
※ワクチンには限りがございますので、予約でお受けしております。
電話又は受付窓口にお問い合わせください。(TEL 049-238-8283 3階受付直通)
スタッフ紹介
名前 | 専門分野 | 資格 |
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小幡英章 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学総合医療センター 麻酔科 教授 麻酔科学会指導医、日本専門医機構麻酔科専門医、ペインクリニック専門医、区域麻酔指導医 |
清水健次 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学総合医療センター 麻酔科 講師 日本麻酔科学会専門医、麻酔科標榜医、日本ペインクリニック専門医 |
丸尾俊彦 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学総合医療センター 麻酔科 講師 日本麻酔科学会認定医、麻酔科標榜医、日本ペインクリニック専門医 |
山家陽児 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学総合医療センター 麻酔科 講師 日本専門医機構認定麻酔科専門医、日本麻酔科学会麻酔科指導医、麻酔科標榜医 |
萩原大士 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤講師 日本麻酔科学会専門医、麻酔科標榜医 |
町田貴正 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤講師 日本麻酔科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標榜医、日本ペインクリニック専門医 |
武井秀樹 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤講師 麻酔科標榜医 |
清水昌宏 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤講師 日本麻酔科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標榜医、日本ペインクリニック専門医 |
矢崎美和 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤講師 日本麻酔科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標榜医、日本ペインクリニック専門医 |
高橋綾子 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤医師 日本麻酔科学会専門医、麻酔科標榜医 |
渡邉大智 | 麻酔学、疼痛治療学 | 埼玉医科大学 非常勤医師 日本麻酔科学会専門医、麻酔科標榜医、日本心臓血管麻酔学会JB-POT専門医 |
診療担当医表
令和6年4月1日現在
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
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午前 | 1 | 清水 健次 | 山家 陽児 | 丸尾 俊彦 | 清水 健次 | 清水 健次 | 清水 健次 |
2 | 山家 陽児 | 渡邉 大智 | 山家 陽児 | 清水 昌宏 | 武井 秀樹 | ||
3 | 矢﨑 美和 | 髙橋 綾子 | 町田 貴正(第2週) | ||||
午後 | 1 | 清水 健次 | 山家 陽児 | 丸尾 俊彦 | 清水 健次 | 清水 健次 | 清水 健次 |
2 | 萩原 大士(第2,4週) | 渡邉 大智 | 山家 陽児 | 丸尾 俊彦 | 武井 秀樹 | ||
3 | 髙橋 綾子 | 清水 昌宏 | |||||
4 | 小幡 英章 |